PHP のバージョンアップだけで大丈夫?上げたあとにやることと「いたちごっこ」の終わらせ方
PHP を修正版に上げても、それだけで安心とは言えない。上げたあとに確かめることと、数年ごとに来るバージョンアップ(いたちごっこ)との付き合い方をまとめた。
PHP のバージョンアップだけで大丈夫?上げたあとにやることと「いたちごっこ」の終わらせ方
- 更新で防げるのは、これからの攻撃だけ。すでに置かれたファイルや書き換えは残る
- サーバー会社のサービスが再開しても、修正版が入ったとは限らない。実際の版を確かめる
- 入り込まれていた場合に備えて、パスワードと鍵を変える
- 同じサーバーの、ほかのサイトや古い PHP も見落とさない
上げたあとにやること
- 実際に動いている PHP の版を確かめる(修正版 8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35 以降か)
- 見覚えのない管理者・ファイル・書き換えがないか確かめる
- サーバー・データベース・FTP・管理画面のパスワードを変える
バージョンアップは「いたちごっこ」
今回上げても、数年後にはまた上げる日が来る
- 保守の期限:公開から約2年が通常の保守、その後約2年がセキュリティ修正のみ
- 新しい脆弱性:保守中の版でも、新しい弱点が見つかれば更新が要る
- WordPress・プラグイン:古い PHP への対応を順にやめていく
無理なく付き合う方法
- 年に1回、PHP の版を見直す日を決める(11月に新しい版が出るので、その後がよい)
- テスト環境を残しておく。急ぎのときに、すぐ試せる
- プラグインを減らす。少ないほど、上げるときに困らない
PHP を修正版に上げれば、これからの PHP2Shell の攻撃は防げる。ただし、それまでに入り込まれていたら、上げただけでは何も直らない。PHP2Shell は修正版が出る前に内容が漏れていたので、上げたあとの確認が欠かせない。
- 更新で防げるのは、これからの攻撃だけ。すでに置かれたファイルや書き換えは残る
- サーバー会社のサービスが再開しても、修正版が入ったとは限らない。実際の版を確かめる
- 入り込まれていた場合に備えて、パスワードと鍵を変える
- 同じサーバーの、ほかのサイトや古い PHP も見落とさない
- PHP は数年ごとに上げ直しになる。終わらせるなら PHP のいらない形へ移す
更新で直ること・直らないこと
| 項目 | 直る | 直らない |
|---|---|---|
| PHP2Shell の弱点 | 直る(これからの攻撃を防ぐ) | |
| すでに置かれた不正なファイル | 残る | |
| 書き換えられたページ | 残る | |
| 盗まれたパスワード・情報 | 取り返せない | |
| 追加された管理者 | 残る |
上げたあとにやること
- 実際に動いている PHP の版を確かめる(修正版 8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35 以降か)
- 見覚えのない管理者・ファイル・書き換えがないか確かめる
- サーバー・データベース・FTP・管理画面のパスワードを変える
- WordPress なら、wp-config.php の認証用の鍵(ソルト)を作り直す
- 定期実行の処理(cron)に、知らない命令が足されていないか確かめる
- Search Console の「セキュリティの問題」を確かめる
サーバー会社が止めていた管理画面やサービスを再開しても、PHP の修正版が入ったとは限らない。自分のサイトで動いている版と、サーバー会社の告知の両方を確かめる。
見落としやすい所
- 同じサーバーにある、別のドメインや使っていない古いサイト
- テスト用に作って、そのままのサイト
- 古い PHP の版を選んだままのドメイン
- 問い合わせフォームなど、一部だけ PHP で動いている所
バージョンアップは「いたちごっこ」
今回上げても、数年後にはまた上げる日が来る。新しい脆弱性は見つかり続け、どの版にも保守の期限があるからだ。
| 理由 | 中身 |
|---|---|
| 保守の期限 | 公開から約2年が通常の保守、その後約2年がセキュリティ修正のみ |
| 新しい脆弱性 | 保守中の版でも、新しい弱点が見つかれば更新が要る |
| WordPress・プラグイン | 古い PHP への対応を順にやめていく |
| サーバーの OS | OS にも期限がある(CentOS 7 は 2024年6月30日に終了) |
- 2024年には、PHP の脆弱性(CVE-2024-4577)を狙う攻撃について IPA が注意を呼びかけた
- 2026年10月の PHP2Shell は、修正版の公開前に内容が漏れ、急ぎの対応が必要になった
- これからも、同じように急ぎの対応が必要になる日は来る
無理なく付き合う方法
- 年に1回、PHP の版を見直す日を決める(11月に新しい版が出るので、その後がよい)
- テスト環境を残しておく。急ぎのときに、すぐ試せる
- プラグインを減らす。少ないほど、上げるときに困らない
- 知らせを受け取る。php.net・IPA・JPCERT/CC の注意喚起
- 期限の1年前に動く。終わる直前は、サーバー会社も制作会社も混む
- バックアップを、サーバーとは別の場所にも取っておく
PHP 8.2 は 2026年12月31日で保守が終わる。8.2 のままなら、年内に 8.4 か 8.5 へ移る。
いたちごっこを終わらせる方法
会社案内やブログのように、その場で動く仕組みが少ないサイトなら、PHP のいらない形にして Cloudflare などへ移せる。PHP がなければ、PHP の更新そのものが要らなくなる。くわしくは Cloudflare へのサーバー移行 にまとめた。
社内に詳しい人がいないなら、保守を任せる先を決めておくのが現実的。急ぎのときに「誰に頼めばいいか分からない」が、一番の損になる。
よくある質問
PHP を上げれば、もう安心ですか?
これからの攻撃は防げますが、それまでに入り込まれていた場合は残ります。
見覚えのない管理者やファイルがないか確かめ、パスワードも変えてください。
何も変わったところが見つかりません
それなら一安心です。
念のため、パスワードの変更とバックアップの取り直しはしておいてください。
一度上げたら、何年くらい大丈夫ですか?
版によって違います。
PHP 8.4 なら 2028年12月31日まで、8.5 なら 2029年12月31日まで公式の修正を受けられます。
ただし途中で新しい脆弱性が見つかれば、その都度更新が必要です。
毎回自分でやるのは無理です
保守を任せる先を決めておくのがおすすめです。
PHPチェッカーでも、移行や更新の相談を無料で受け付けています。
参考にした情報
- php.net(2026年10月21日のセキュリティ告知)
- php.net:Supported Versions
- php.net:Unsupported Branches
- php.net:付録(移行ガイド)
- IPA:PHPの脆弱性対策について(PHP2shell)
- サービス再開は修正版適用済みとは限らない(情報システム部のブログ)
- IPA:PHPの脆弱性(CVE-2024-4577)を狙う攻撃について
2026年10月22日時点の公開情報にもとづく。最新は php.net と、利用中のサーバー会社の告知を確認すること。
URL を入れるだけで、PHP2Shell の危険度と今やることが分かる。サーバー移行の相談もできる。
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